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~西陣の香~Vol.22 発行日2005/06/09
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「お~い、ちょっくら京都までいってくるから、留守は。。。」(文中より抜粋)
こんにちは!きものACT 中西です。
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2003年6月に創めた きものACT ですが、
ちょうど節目にあたる今月は、いろんなことを書いていこうと
普段より発刊が多い月になるかもしれません。
目標 !! 毎週 1通以上 配信!!
これって、普段から考えると大変なことですが、
チャレンジしちゃいましょう。(笑)
日本サッカー代表が来年のサッカーワールドカップ出場も決めたことですし、
便乗と言う訳ではございませんが、
最後まで読んでくださればよいことあるかもです。
浮き貸しの説明で終わってしまった前号ですが、
------「○の価格は、何の価格?」--------------------------------------
これってみなさん何を予想されていたでしょう(笑)
「きものの価格は、何の価格?」と考えた方、それも正解です^^
一般的に言うなら、「商品の価格は、何の価格?」が、
私の最近考えていたことです。
前々号できものの流通について書きましたが、
流通の間に業者が入れば入るほど商品のお値段が高くなるのは、
どこの業界でも同じだと思います。
例えば、私は植物が好きなのでよく苗を買って育ててたりします^^
ナスの苗、トマトの苗、。。。
この間、近くのホームセンターによると、
ナスの苗¥100-、トマトの苗、同じく¥100-で売っていました。
苗を買ったことのある方、もしくは買ったことのない方でもいいです。
この値段、高いですか?安いですか?こんなものですか?
私は、ちょっと前まで田舎に住んでいたせいでしょうか、
高く感じました!(笑)
その時は、平均¥50-で買えていたからです。
¥50が¥100になろうが、そんな変わらないんじゃない?という方。
着物だったらどうでしょうか?
¥50,000-だろうが¥100,000-だろうが、かわらないじゃん?(笑)
でしょうか?
話がずれてしまいましたが、
せっかく着物業界にいるので、着物を例にとってみましょう
メーカーで創られた着物、例えば、30貫で卸されたと仮定します。
(貫や文は、昔のお金の基準ですが、あくまで仮定としてここで使ってみましょう)
30貫000文の中身は、材料費や人件費、それにメーカーの利益が入っています。
(1000文=1貫)
次にそれを買った問屋は、50貫で小売店に卸したとします。
50貫-30貫=20貫の儲けが問屋の利益です。
さらに、小売店は、50貫で買った品を100貫で消費者に売ったとします。
100貫-50貫=50貫が小売店の儲けになります。
単純に考えれば、このような感じになりますが、
問屋の利益20貫、小売店の利益50貫は、
純粋な利益ではなく、そこから人件費など諸経費がひかれます。
その諸経費を引いた分が純利益になるわけですが、
ここで、質問、
同じ商品が100貫と30貫、どこに違いがあるのでしょうか?
普段デパートや店舗でお店を開いた場合、
人件費はもちろんのこと、店舗の地代、人件費、それにディスプレイなど
お店の雰囲気やサービスにお金がかかるのをご存知ですか?
小売店は、それぞれのお店の色合いや雰囲気を出して商品を販売します。
その雰囲気やお店の店員さんの口ぞえがあって、
商品を購入される方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そのときに支払った金額は、純粋な商品の価格ではなく、
小売店の地代、サービスやディスプレイ、人件費も含まれているということなのです。
もちろん、そのサービスをお客様として享受しているわけですから、
その金額を支払わなければなりません。
これは、当たり前のことですが、普段見落としがちな点ではないでしょうか?
銀座の高級料亭で出される京野菜と私が普段食べてる京野菜。
同じものなのに
都会と田舎、
お店で買うのとお百姓のおばちゃんから買うのとで価格が違う事と
同じなのかもしれません。
<きものACT劇場>
~大昔~
小売店の旦那「お~い、ちょっくら京都までいってくるから、留守はたのむぜ~」
。
。
。
えっちら、おっちら、東海道を西へ西へ。。。京都まで足を運び、
。
。
。
西陣のある織屋にて
小売店の旦那「この御召いいね~秀逸だね、これにあう帯ないかい?」
西陣の織屋「旦那さん、ようきいてくれはりましたな~、これなんかどうでっしゃろ?」
小売店の旦那「う~ん。。。いいけど、これにはあわねえな~、他にはないかい?」
西陣の織屋「さすが、旦那さんですな~、ほんなら、これなんかどないだす?」
小売店の旦那「おぅおぅ!あるじゃね~か、こんないいもんが、でいくらだい?」
西陣の織屋「しめて、30貫で。。。」
小売店の旦那「なに~、これで30貫、安いじゃねえか~、ほい、料金はおいていくぜ」
西陣の織屋「まいど、おおきに~」
。
。
。
京都~名古屋~静岡~江戸と、通り道の産物を見ていくのは当然だったでしょう。
。
。
。
江戸にて
小売店の旦那「おかみさん、この品、さっき京から持ち帰ったばかりで。。
お嬢さんにいかがでしょう」
奥様「まあ、しゃれてるわね~、京都といえば。。。」
小売店の旦那「ええ、西陣の御召です、
それも秀逸な作品で私の目で確かめてきた品です」
奥様「あら、そうなの、わ~、帯もいいわね~、あの子に、あいそうね」
小売店の旦那「ええ、目利きの私が保障します」
奥様「おいくらかしら」
小売店の旦那「逸品の御召と帯、
あわせて200貫のところを100貫でいかがでしょう」
奥様「じゃあ、あとでうちに届けて頂戴」
小売店の旦那「ありがとうございます」
宿場代、日数、食事代もろもろ含めて、30貫の品が100貫です。
お客さんも京都、西陣まではなかなか行けないですし、
行った所で良い物かどうかもわかりません。
目利きの呉服屋の旦那さんが保障するものですから
100貫でも安かったかもしれません。
もちろん、200貫を100貫として割り引いているのは
商売人のなせる業なのでしょう
~現代~
大手呉服店企画 呉服展示会
お買い上げくださった方には、もれなく、
本タラバガニもしくは、電動自転車プレゼント~!
100貫の中身は、タラバガニか自転車か?
ご案内するのは、フォスト(笑)顔負けの男性社員!
売りたいという気持ちはわからないでもないですが、
もうちょっとシンプルでもいいんじゃない?
蟹や自転車つけないで、80貫でもいいんじゃないでしょうか
問屋飛ばせば、60貫も可能ですからね。。。
商品の価格は、
商品価格+そのお店が継続、維持できる価格なんじゃないかな~と考えてしまいます。
みなさん、どう思われます?
注釈)西陣織工業組合(西陣のメーカーが参加している組合)でも、
小売店での呉服の高値販売が問題になっています。
業界あげての適正価格での販売を推進しているのも事実です。
もうひとつ、現代でも、
目利きの問屋さんや小売店の旦那さんは、いると思います。
営業社員ではなくね。
それと、
自分ところの都合を押し付け、不当にわけもなく値切ろうとする
買い付けさんやバイヤーさん
おことわり!
どうぞ、宝石でも健康器具でも売っててくださいな!
過去2度ほど。。。トラブルが(笑)
おもしろいので次回にでも^^
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銘仙アロハ、デビューしました。
うちの社長の発案です!
本人は、嬉しそうに毎日銘仙アロハ着て自転車こいでおります。(^^i)おいおい
絹製品ですので、取り扱いがきもの級に難しいですが、
普段、着物に慣れ親しんでいらっしゃる方なら大丈夫かと思います。
汗シミがご心配のようでしたら、Tシャツに羽織る形でもO.K.
それが一番理想だと思います。
洗濯はもちろん、クリーニングへ(絹100%とおっしゃってください)
西陣の香、読者だけに限定割引!
各限定1枚になりますので、各柄、先着1名様のみになります。
ただし、西陣の香の何かしらご感想いただければもっと嬉しいかも
http://www.kimono-act.com/goods/meisen/aloha_all_kaori.html
それと、二部式の勧め!
普段は、道行きコートまたは道中着で着用、
雨降りや雪なら、すそ回しのスカートをつけて雨コート!
こんなコートあったらいいと思いませんか?
普段なら2着必要なところをこれなら1着で2種類の機能付です。
身長の比較的低い方や上着が通常の道行丈でよいということでしたら、
1反で2部式もお作りできますが、
長身の方や道行丈の長いものをご希望の場合は、こちらをどうぞ。
http://www.kimono-act.com/goods/coat_haori/bokasi/bokasi_all.html
この2部式に関して、ご質問やご要望がございましたらお気軽にご連絡くださいませ。
お問い合わせはこちらまで⇒kou@kimono-act.com
------<読者からのお便り>------------------------------
浮き貸しという言葉を初めて知りましたが、大変なんですね。
浮き貸しがなくなって、メーカーも消費者も納得して、
呉服の販売が成り立ち、着物を着る方が、増えるといいですね。
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メールを出したばかりなのに、またメールしてごめんなさい。
でも、びっくりする事があったので。
今日、たまたまACTさんのサイトを見て「あら」と。
実はサイトに掲載されていた暖簾とまったく同じものの
扇子を持っています。
確か、この扇子は銀座の呉服屋さんで購入した記憶
があります。
くだらない事かもしれませんが、驚いたので、メールさせて
いただきました。
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暖簾の柄で同じものをお持ちだったとは^^
既製品になりますと、どこかで同じものが売られていたのかもしれませんね。
今掛けている暖簾は、社長がおつきあいで、西陣の問屋から買ったものらしいです。
暖簾だけでも、うちにはいろいろとありますよ~^^非売品ですが
○に与の文字が刻まれている、例えるなら、
お茶の伊右衛門みたいな感じ、あれそっくりです。
ちなみに、うちの祖父の名前は「一(はじめ)」
お茶の宣伝を見るたびに、まるで、うちがモデルじゃないか、
と思ってしまうくらい似ているものが多いですね。
とすると、若武者は私か?自称、鷹派か?
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今回の西陣の香をお読みになって、貴女はどう思われましたか?
貴女の貴重なご意見をぜひお寄せください。貴女からのお便りが力になります^^
kou@kimono-act.com または
http://www.kimono-act.com/act-customer-support.htm
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発行責任者:西陣の香(中西 康一朗) http://www.kimono-act.com/
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http://www.kimono-act.com/act-scent%20of%20nishijin.htm
このマガジンは「まぐまぐ」 http://www.mag2.com/ を利用して発行しております
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